能書き

 これまでŋの英単語帳をセコセコと作ってきたが、1,000語で少し疲れてほったらかしにしていた。実際のところ、何をもって重要語とするかという軸がいまいち見えなくなっていたのだ。

 

 あるとき思い立って

www.merriam-webster.com

を見てみたら、これの Look-up Popularity で Bottom 50% of words 以上が、おおむね重要な単語だという印象を受けた。これが Bottom 40% 以下となると飲食物やファッション関連の単語が多くなり、わざわざ覚えるものでもないな、と。

 

 そこで、やり直し。

 

大学英語教育学会基本語リスト 新JACET8000

大学英語教育学会基本語リスト 新JACET8000

 

 

 こいつから中学生レベルと考えられる単語を除外し、さらに merriam-webster.com のLook-up Popularity が Bottom 40% 以下の単語を除外。それで従来の自分の独自のやり方で並べ替え。

 

 

 体裁はこれにならった。この『試験にでる英単語』は昭和時代の国公立大学・難関私立大学受験向けであって、必ずしも令和時代に合っているとは言いにくい。けれども語数が1,800語なので、とりあえずこのブログも1,800語ということにした。そすと自分の分類でずいぶん下位になる merriam-webster.com での Look-up Popularity が Top 1% の単語が落ちてしまうので、それを無理に1,800語の下の方に押し込むことにした。

 

 読者は、私が奉職する偏差値50の私立大学文系学部の大学生を想定している。だから最初の方は、なんでこんなやさしい単語が?と思う人がいるかも知れない。けれども私としては偏差値50の文系の私大の学生の現実に即している、つもり。大学生以上向けだから、高校生向けの配慮などはしない。sex にせよ普通に「セックス」と書いた。ビジネス用語としての用例が多い単語も、ビジネス用語としての訳語を書いている。

 想定する対象がそういう大学生であり、すでに大学に入学している訳だから、このブログにある単語が定期試験に出るとは限らない。TOEIC や英検を受験するにしても、そういう資格モノ対策の役に立つかどうかは知らない。でも私の独自集計と merriam-webster.com での Look-up Popularity により、現実問題として良く使われる単語集にはなっていると思う。だから『試験にでる英単語』に対し、あえて試験に出ない英単語とした。

 試験向けではないのだから、端的な日本語の訳語をあてるというより、その単語が意味する内容の解説に重点を置いた(適切な端的な日本語があれば、もって回った解説をせず端的に書いた)。

 

  発音は dictionary.cambridge.org に準拠した…が、dictionary.cambridge.org の発音記号は IPA であり(悪いとは言わないが)直感的ではないので、『試験にでる英単語』みたいな表記に書き換えた。

 

 発音については注意が必要。私自身が大学受験生だった時代、『試験にでる英単語』が定番だった時代の英語教育の現場はイギリス英語至上主義だった。しかし現在の日本の英語教育はイギリス英語至上主義者とアメリカ英語もアリじゃん主義者のせめぎ合いであり、発音がアメリカ英語なんだかイギリス英語なんだか訳わからん状態になっている。おそらく令和時代はアメリカ英語が主流になるだろう。

 

  ところが、いわゆる英語由来の日本のカタカナ語の多くはイギリス英語をカタカナ化したものであり、アメリカの発音と食い違うことが多い。

 例えばこのブログの「名詞 1」の最初から5つ目の product。これはカタカナ語でプロダクトと言う。イギリスの発音が [prɔ́dʌkt] だから、そうなったのだろう。ところがアメリカでは [praːdʌkt] という発音で、あえてカタカナで表記すればプラーダクトになる。プロダクトとプラーダクトではぜんぜん違う単語に聞こえる。

 こういう調子だから、アメリカ英語とイギリス英語とで発音が大きく異なる and/or 一定レベルでカタカナ語として定着している単語と実際の発音がずいぶん異なる単語には※発音注意と書いておいた。イギリスのウェブサイトながら dictionary.cambridge.org にはイギリスとアメリカと両方の発音の音声があるので、各自チェックされたい。